第1話  釣への想い  平成15年5月15日 

 子供の頃から釣を50数年やって来た。
釣を知った子供の頃、あまりの面白さに無我夢中で釣をした。

 汽水域で初めて黒鯛の子を釣った。それまで釣っていたハゼの引きとまったく違う事が強烈な印象に残っている。それで又無我夢中で釣りをした。
次に防波堤で釣った。少し、汽水の岸から釣るより大きいのが釣れた。これまでと引きがぜんぜん違う・・・・。そして又、少しでも大きいのを狙うようになった。その頃の釣り場はいつも綺麗だった。

 酒田では鶴岡のように師弟の関係を組むことはなかったが、当時釣場でお年寄りの釣師に出会うと、魚の釣り方、技や釣のマナーを聞かされた。酒田では良く初心者を素人(シロウト)と云った。そして、ベテラン、名人クラスの人を玄人(クロウト若しくは商売人)と云い区別した。酒田のお年よりは、今でもこの言葉を使っている。昔はマナー、技共他の釣り人からも一流と認められて初めて一人前の立派な釣り人となり玄人、商売人と云われていた。最近では技や、単に釣がうまい人の意味で使われてしまっている。私は商売人より玄人という言葉が好きだ。

 鶴岡では極最近まで初心者は必ずと云っていいくらい釣の先輩、大先輩に連れられて、釣に行き釣り方のみならず、釣のポイント、釣のマナー等を聞かされた。その先輩、大先輩を「師匠」と呼ぶ。そしてその人を生涯師匠と呼び、師匠の釣竿などを弟子達が大事に引き継いで来た。鶴岡では100年を超えるような名竿が、今も大事に使われて居るのはそうゆう理由があるからである。

 今はそんなお年より達の大部分がいなくなった。そして、今では皆んなと一緒に楽しむ釣りが流行している。また、せっかく撒き餌をして魚を呼び込で釣れると、その釣り場に直ぐに割り込んだりするマナーを知らずの利己主義的な若者達が大手を振って釣をしている。

 ファミリーフィッシングをしている親達が、子供達の前で平気で釣り場にポリ袋やゴミをポイポイ捨てて帰る。全部が全部とは云わないが、そんな人達を作ってしまったのは、誰だろう。自分が良ければ良いと云う、自分本位の利己主義の人たちがあまりにも増え過ぎた。

自分達が撒き散らしたゴミがいずれ、環境汚染され自分の身に降りかかってくるのも知らず・・・・。